失敗しない土地活用。土地活用賃貸管理はサブリース(一括借上家賃保証)でいいのか?賃貸経営者主導の一般管理との比較。

大阪西成区でアベノハルカスを望む

私共が土地最有効活用を実現するためには賃貸経営者が自ら意思決定し賃貸経営をしていくべきと常々申してますが、これは賃貸管理全般を自らすべて行うという意味ではなく賃貸管理に関する基本的知識を身に着けた上で自らが管理会社の逐一の打診に対して適切な意思決定、指示を行っていく事を意味しています。即ち賃貸管理は管理会社に委託する一般管理とするのが最善であるということです。しかし世の土地オーナーのほとんどの方は業界スタンダードのサブリースで契約されます。何もサブリースを否定するわけではありませんが、一番問題になるのが賃貸管理をすべてサブリース業者にまかせっきりにしてオーナー自らの思考、意思決定を停止してしまわられる事です。その結果賃貸が開始されてある時点で急に資金ショートが生じて初めて事の重大さに気付きパニックに陥る事になります。これではまったく時期が遅く計画当初からあらゆるリスクを想定し自ら思考する習慣をつけておく必要があります。

たしかに私が土地活用の世界に入った20数年前は人口増加の時期にありサブリースは良いビジネスモデルで、私自身も公的融資とからめてサブリースで提案し大型物件を受注しました。また先日スマホのマップ機能でこの物件の現在の画像を見たところ、エントランス脇に当時私が所属していた会社の名前が入った「自転車等置かないでください」という立て看板が写っており、長期間にわたって今もなおサブリースがお客様に安心感をもたらし続けてくれている事にホッコリしたりもしました。

しかし20数年経過した現在では社会情勢は変化し人口減少により賃貸需要は低下し、賃貸業者間の競合が激化しつつあります。こういう状況下では土地活用の業界スタンダードとなっているサブリースから以下のような問題点が出てきています。

1 数年毎に賃料減額交渉に入り、オーナーが了承しないならサブリース契約を解除される事。

2 最も高い賃料がとれる新築時期は一般管理もしくは自己管理でも空室を心配することなくほぼ満室分の賃料が入ってくるにもかかわらず空室対策として手数料を払う必要がある事。

3 賃借人が支払った共益費は賃料ではないという理由でオーナーには支払われない事。

4 サブリース期間開始の3か月間免責期間として借上賃料が入ってこない事。

5 大きな修繕の発生の少ない新築後15年間も「修繕費の心配は要りません」と手数料を取られる事。また修繕費の負担区分等が契約時に明確に説明されないことが多い事。

管理会社委託による一般管理はサブリース一括借り上げの賃料の10~20%に対し賃料の約5%の手数料を管理会社に支払えば、オーナーの手間はサブリースの場合とほぼ変わりませんし、上記のようなサブリースの問題点も発生しません。あえてデメリットをあげますと空室が発生しないように先手先手でオーナーが先頭に立って管理会社と相談し対策を打っていく必要があることぐらいです。こんな事は賃貸経営者として当たり前の仕事でありますし、また賃貸経営者としての能力を発揮できる絶好の機会と言えます。一般管理を通じて自らの意思決定を反映した最高最善の土地活用(土地最有効活用)が皆様方によって実現される事を期待しております。

先日大阪でもほとんど足を踏み入れていない地域を歩いてみようと南海汐見橋線に乗って津守駅で降り鶴見橋商店街を東に向けて西成区を横断し動物園前を目指しました。写真のアベノハルカスが望める地点から歩いてすぐのところに大阪一の呼び声が高いホルモンやまきがあります。キモとアブラが他店の追随を許さないウマさで長時間並んで待つ価値は十分あります。

津守駅

鶴見橋商店街
西成区花園あたり