ZEH賃貸の普及実態レポート

ZEH賃貸入居者意識レポート

入居者がZEH賃貸マンションに入ろうとする動機は現時点ではエコ、ZEHでなく戸建て住宅に始まる従来からのメーカーの、断熱性の技術力および工事実績(ブランド力)への信頼であり、それは夏冬かかわりなくもたらせられる快適性をイメージとしていることによるものであることが分かってきた。

ZEH賃貸の主題であるエコ、脱炭素は入居者の口から出てくることはなく、入居者はメーカー主導のZEH賃貸のアピールにエコも今後は取り組まなきゃいけないテーマであると同意を示す程度の関心でしかない。世間一般が見ているようにZEH賃貸が入居者に浸透するにはまだもう少し時間を要する。

入居者は見学に来てホテルライクなエントランス、内装を見せられ、光熱費が下がり売電もでき、例えば月5000円レベルの節減が可能である説明を受け、これらをサブの動機とし最終的には1年中快適性を実現する高断熱性を主要動機として、周辺の競合マンションより1.5万円高くても断熱性のブランド力を信頼して契約をする。

結果的にZEHをエコではなく高い断熱性による快適性、経済性で、従来のマンションとの差別化により圧倒的な競争力で高い家賃でも早い時期に部屋が詰まっていく。全室埋まって後は高い断熱性による快適性、光熱費ダウン、売電により空室発生は少ないであろう。

したがって現時点でオーナーがZEH賃貸を始めようとする場合入居者がZEHに関心理解が薄くてもZEHの要素である高断熱性、高効率空調、太陽光発電による快適性、経済性に納得して契約し、その結果、オーナーにとっては早期の収益性確保が可能になる。ZEH賃貸市場に参入を考えておられるオーナーはまだZEHが国民に浸透していない拡大途上にある現段階でも集客、収益性に心配なさる必要はないと思われます。

しかし、ここで留意いただきたいのはZEH賃貸市場が成長していくにつれ、ZEHの普及が進むか国がZEHの義務付けを課してきたときは、現在の差別化による競争力は低下する。

そういう事態を避けるために長期的にZEH賃貸市場の推移を捉えてオーナー自らの事業計画を柔軟に修正していく必要があります。