GX-ZEH賃貸マンション計画実行を開始するにあたって

Ⅰ まず現在のZEH補助制度の状況と、これから検討すべき補助制度、2027年ZEH基準見直しについて以下にまとめます。
1. GX志向型住宅の申請受付終了について
ご認識の通り、「子育てグリーン住宅支援事業」におけるGX志向型住宅の補助金は、2025年7月22日時点で予算上限に達し、申請受付が終了しています。これは非常に高額な補助金(最大160万円/戸)であったため、早々に予算が尽きてしまった状況です。
2. 現在検討すべき補助制度
GX志向型住宅は終了しましたが、賃貸マンションを対象としたZEH基準相当の補助金は引き続き検討可能です。
(1) 子育てグリーン住宅支援事業におけるZEH水準住宅・長期優良住宅
「子育てグリーン住宅支援事業」自体は、GX志向型住宅の他に、ZEH水準住宅と長期優良住宅も補助対象としています。
- ZEH水準住宅:
- 補助金額: 40万円/戸 (建て替えの場合は60万円/戸)
- 対象世帯: 子育て世帯または若者夫婦世帯が対象。賃貸住宅の場合、新築時最初の入居募集(3ヶ月間)は子育て世帯等に限定するなどの条件があります。
- 要件: 断熱等性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6以上の性能が必要です。
- 状況: 2025年7月23日時点で、長期優良住宅・ZEH水準住宅の予算に対する申請額の割合は12%であり、まだ余裕があります。
- 長期優良住宅:
- 補助金額: 80万円/戸 (建て替えの場合は100万円/戸)
- 対象世帯: ZEH水準住宅と同様に、子育て世帯または若者夫婦世帯が対象。
- 要件: 省エネ性能の他に、耐震性や劣化対策等の基準を満たす必要があります。
- 状況: ZEH水準住宅と同様に、予算にはまだ余裕があります。
重要ポイント: 賃貸住宅の場合、補助対象となる戸数に上限(「要件を満たす住戸の50%」まで)が設けられている場合があります。また、子育て支援措置として、一定期間、子育て世帯向けの優遇家賃を設定するなどの条件があるため、詳細な要件を確認する必要があります。
(2) ZEH補助金(SIIのZEH支援事業)
SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が実施しているZEH補助金も検討対象です。
- 対象: 戸建て住宅のZEHに加え、集合住宅(ZEH-M)も対象となります。
- 補助金額:
- 戸建てZEH水準住宅: 55万円/戸
- 戸建てZEH+: 90万円/戸
- 集合住宅(ZEH-M)も定額補助があります。(Nearly ZEH-M、ZEH-Mで40万円~など)
- 申請時期: 例年通りであれば、2025年度のZEH補助金の申し込みは、5月頃から開始されていると予想されます。ただし、先着順のため、早めの申し込みが推奨されます。
- その他: ZEHデベロッパーの登録が必要となる場合があります。
(3) 都道府県・市区町村の自治体による補助金
国による補助金制度だけでなく、各地方自治体(都道府県や市区町村)が独自にZEHや省エネ住宅に対する補助金制度を設けている場合があります。太陽光発電システムの設置に対する助成金などもありますので、計画地の自治体の情報を確認することをおすすめします。
3. ZEH基準見直しについて
2025年4月からすべての新築建築物に省エネ基準適合が義務化されています。また、2030年までにはZEH水準への引き上げが予定されています。
ZEH基準の見直しは、より高い省エネ性能が求められる方向で進んでいますが、具体的な賃貸マンションにおける2年先の基準の確定はまだ発表されていません。しかし、現時点でもZEH水準を満たすことで補助金の対象となるため、将来を見据えてZEH水準以上の性能を目指すことは賢明です。
Ⅱ 計画の方向性確定
計画確定にあたっての注意事項
- 各補助制度の最新情報と詳細な要件確認: 上記の補助制度は変更される可能性や、詳細な要件(床面積、立地、契約事業者など)が定められています。必ず各制度の公式ホームページ(国土交通省「住宅省エネ2025キャンペーン」、SII等)で最新の情報と公募要領を確認してください。
- 賃貸住宅の要件: 賃貸住宅には、通常の住宅とは異なる特別な要件(子育て世帯限定の入居募集期間、補助対象戸数の上限、優遇家賃の設定など)がある場合がありますので、特に注意が必要です。
- ZEHビルダー・ZEHプランナーとの連携: ZEH水準の住宅を建てる場合、ZEHビルダーまたはZEHプランナーとして登録された事業者との契約が必要となる場合があります。
- 専門家への相談: 補助金制度は複雑なため、建築士や工務店、ハウスメーカーなど、省エネ住宅や補助金に詳しい専門家と密に連携し、最適な計画を立てることをお勧めします。
上記Ⅰ1.~3.をもとに計画の方向性を確定します。
現時点では、GX志向型住宅の直接の後継となる制度はすぐには出ていない状況ですが、「子育てグリーン住宅支援事業」のZEH水準住宅や、SIIが実施するZEH補助金(ZEH-M含む)、そして地方自治体の補助金を組み合わせることで、GX-ZEH賃貸マンションの建設における補助金を活用できる可能性があります。
ところが今GX-ZEH賃貸マンションを建てるにあたって、2030年のZEH義務化に向けてZEH化は最低限必要としても、必ずしも最先端のGX-ZEHにしなければというわけではありません。
要は賃貸市場の顧客である入居者が望む断熱性、省エネ性、快適性、環境性を満たしていれば、GX-ZEHまで求めず通常のZEH賃貸マンションでもいいわけです。
一方、土地オーナーの方にとっては入居者の方が満足してもマンション事業に収益性がなければマンションを建てる意味がありません。
したがって家賃が高く取れ、空室が減るために建物が賃貸ニーズを反映してるか、太陽光発電の運用形態はどうすればいいか、設備構成をどのようにするか、どの補助金を適用するか等の収入とコストのバランスを考えた収益面でのアプローチが計画を進めるうえで不可欠になります。
ちなみにGX-ZEH賃貸マンションは最高の断熱性、省エネ設備、太陽光発電等の再生可能エネルギー設備、蓄電設備を備えていますが、通常のマンションより10~30%コストがアップし建物の仕様、設備の構成、補助金の適用次第で採算が合わない場合も出てきます。
ですから、計画の方向性を確定されるにあたって当サイト、ZEHに実績ある建築会社・設備事業者、太陽光発電事業者等と綿密に打ち合わせGX-ZEH賃貸マンションかZEH賃貸マンションか、太陽光発電は全戸に適用するのか、入居者で売電可能にするのか、補助金は現行適用可能なものをつかうのか、それともGX-ZEH基準が確定するまで待つのか等いろいろな仮説案を立てそれぞれの収支シュミレーションで収益性を比較して結論を出されたらいいと思います。
そのための入り口としてまず当サイトに相続税対策等の資産管理でお悩みのこと、ZEHを考えられた理由をお聞かせください。
業界30年の専門家が個別相談に応じさせていただきます。
当サイトは土地活用の専門家として相続税対策、オーナー自らの事業計画、失敗しない土地活用をベースに、トップZEH建設企業、トップZEHデベロッパーと連携し、収益性、快適性、環境性の最大化を追求するZEH賃貸事業のご提案をさせていただいております。
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