GXZEH(ジーエックス・ゼッチ)新基準 2025年9月30日

GX-ZEH新基準も固まってきた

2025年9月に経済産業省によって発表された「GX ZEH(ジーエックス・ゼッチ)新基準」は、日本の住宅の省エネルギー性能を飛躍的に向上させ、2050年カーボンニュートラル実現に向けた道筋を示す、極めて重要な改定です。

これは、従来のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を大幅に引き上げたもので、高性能住宅への移行を加速させるための国の明確な意志の表れです。

ここでは、その主な内容とポイントを解説します。


1. 「GX ZEH」とは?従来のZEHとの違い

「GX ZEH」は、従来のZEHの次のステップとして定義された新しい高水準の省エネ住宅です。

「GX(Green Transformation)」とは、環境問題への対応を経済成長の機会と捉え、産業構造や社会を変革していく取り組みを指します。GX ZEHは、まさにこの国の変革を住宅分野から牽引する基準となります。

項目GX ZEH 新基準(戸建)従来のZEH基準(現行)
断熱等性能等級6以上(必須)等級5(ZEH強化外皮基準)
省エネ性能 (再エネ除く)35%以上削減(必須)20%以上削減
創エネ性能 (再エネ含む)100%以上削減(ZEH)100%以上削減
導入設備蓄電池HEMSを原則必須原則任意(ZEH+でHEMS必須)

※集合住宅の「GX ZEH-M」も、住戸部分で等級6、建物全体で再エネを除く35%以上削減が求められます。

基準改定の3大ポイント

1. 断熱等性能等級が「6」に引き上げ

住宅の断熱性能の指標である「断熱等性能等級」が、従来のZEHの「等級5」から**「等級6」**に引き上げられました。

これは、窓や壁などの外皮性能を大幅に強化することを意味します。この高断熱化により、冷暖房に頼りすぎず、冬は暖かく夏は涼しい、健康で快適な居住空間の実現を目指します。

2. 再エネを除く一次エネルギー消費量削減率が「35%」に厳格化

高効率な設備機器(エアコン、給湯器、換気、照明など)の導入による省エネ性能の要求水準が、従来の20%削減から35%以上削減に強化されました。

これは、太陽光発電などの再生可能エネルギー(創エネ)の力を借りる前に、まず住宅そのものの省エネ性能を最高水準に高めることを重視しているためです。

3. HEMSと蓄電池の原則必須化(自家消費の拡大)

GX ZEHでは、エネルギーの**「自家消費の拡大」**が特に重要視されています。

  • HEMS(高度エネルギーマネジメントシステム): 家庭内のエネルギー使用量を「見える化」し、最適に制御するシステムが必須となります。
  • 蓄電池(5kWh以上を想定): 太陽光発電で発電した電気を貯め、夜間や災害時に活用するための蓄電池の導入が必須となる見込みです。

これは、電力会社に頼るだけでなく、自宅でエネルギーを自給自足し、災害へのレジリエンス(強靭性)を高める狙いがあります。


2. 「GX志向型住宅」との関係

このGX ZEHの基準は、2025年度の補助金制度で新たに設けられた「GX志向型住宅」の要件と同水準です。

政府は、補助金(最大160万円)というインセンティブを設けて「GX志向型住宅」を先行させ、この高性能な住宅を普及させることで、将来的に日本の住宅全体のZEH水準をこの「GX ZEH」に引き上げるという戦略をとっています。


3. ZEH-Orientedの見直し(集合住宅への影響)

  • 集合住宅(ZEH-M Oriented): 特に高層の建物(6階建て以上など)は、太陽光発電の設置面積が限られることを考慮し、高い**省エネ性能(等級6・35%削減)**を達成することで、再エネ導入が不要となる特例基準が適用されます。

4.補助金

2025年度は、特に省エネ・ZEH化を強力に推進するための大規模な補助金制度が実施されています。投資判断に直結する重要な情報です。

💰 注目すべき補助金(戸建・集合住宅向け)

補助金制度対象(新築)補助額(戸建の例)注目ポイント
GX志向型住宅高性能省エネ住宅(長期優良、ZEH水準を超える)最大160万円/戸ZEH水準を超える最高レベルの性能を支援。ただし、早期に予算上限に達し受付を終了している事業もあるため注意が必要です。
ZEH支援事業ZEH/Nearly ZEH/ZEH Orientedなど55万円/戸ZEH化の基本的な支援。ZEH-Mや高層ZEH-M支援事業でも、同様の仕組みで補助が行われます。
子育てグリーン住宅支援事業長期優良住宅、ZEH水準住宅など40万円/戸(子育て・若者夫婦世帯のみ)ZEH水準住宅を建てる子育て世帯などを対象。建て替えで最大60万円に上乗せ。

💸 【最重要】補助金は早い者勝ちの可能性大!

2025年度の補助金制度は、「GX志向型住宅」の枠が早期に予算上限に達し受付を終了するなど、高い人気を示しています。

地主・投資家の皆様は、補助金を活用して高収益な賃貸物件を建築するため、制度の最新情報を常にチェックし、信頼できるZEHビルダー/プランナーと連携して迅速に計画を進めることが、成功への鍵となります。

2025年は、不動産経営における**「省エネ投資」が「高収益化」に直結する**転換期です。この波に乗り遅れないよう、今すぐ具体的なアクションを開始しましょう!

この新基準は、2027年度以降からの本格施行が予定されていますが、既に2025年度の補助金制度ではこの水準が最高評価の対象となっており、高性能住宅へのシフトは既に始まっています。

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