失敗しない土地活用。空室対策はオーナー自らの手で
いま土地活用の提案を依頼するとほとんどの業者からサブリース(一括借り上げ)を前提とした提案書が出てきてサブリースは土地活用の業界スタンダードになっています。しかしここにきて人口減少に伴う競争激化を背景としてサブリースは時代にそぐわなくなってきています。
競争激化により家賃相場は下落しサブリースでも見直し期に借り上げ家賃を下げるケースが多くなり、契約時に10年後の家賃見直しが伏せられていれば想定外の収益悪化に突然見舞われます。
またサブリースでは土地オーナーは賃貸管理から外れますから予期せぬ状況の変化に対応できなくなります。
このようにサブリースで失敗することが多くなってきた現在ではサブリースに空室なしの安全性を求めず土地オーナー自らが空室対策を率先して行っていく必要があります。
空室対策と一口にいっても(1)住みたくなるマンションにしておくこと。(2)住みはじめると出たくないマンションにすること。(3)空室が発生すれば最短で埋める体制をつくっておくこと。の3つのアプローチが必要であると思われます。
(1)については適切なマーケティングをもとに初期設定でニーズがある貸室の間取り、面積を設定しキッチン、トイレ、シャンプードレッサー等は決して高グレードではなく清潔感があり流行に関係ないスタンダードなものを設置する必要があります。またマンション自体として住みたいと思わせる外観デザイン、エントランス、植栽、夜のライティングも入居動機で大切な要素ですし、エントランスが自動ロックの場合の置き配対応可、ペット可等はそれで即入居が決定する確率が上がります。以上の事を自らのマーケティング、専門家のアドバイスをもとに賃貸事業計画で自ら確定していきます。
(2)については賃借人がこのマンションから出ていこうと思うきっかけで多いのは他の賃借人との騒音のトラブル、設備の不具合であり、土地オーナーに代わってクレームの防波堤になってくれる管理会社対応で空室の増減が決まってきます。私の経験上、対応力は担当者個人個人でまったく差がありますので管理会社の選定は慎重に行う必要があります。
(3)については空室が発生した時の管理会社の最短での客付け能力が必要になります。このためには管理会社の賃貸仲介会社との連係が不可欠でその為に
1)管理会社の定期的訪問による各賃貸仲介営業マンとの人間関係作り
2)賃貸仲介営業マンが入居希望者との契約時において管理会社との確認作業をスマホでスピーディーに行い即クロージングまでもっていけるシステム作り
3)賃貸仲介営業マンが第一に考える売上(仲介手数料、広告料)のうち土地オーナーが出す広告料を他の管理会社案件と差別化することにより当管理会社の優先度を高めるシステム作り
4)管理会社の客付け能力の高い賃貸仲介会社とのネットワーク作り
が課題となります。
以上空室対策について具体策を述べてきましたがまず賃貸事業計画は自ら確定することそして中で述べた内容を実現する優秀な管理会社をじっくり探す必要があります。そして管理会社が見つかったら具体的作業は管理会社にまかせ土地オーナーは賃貸事業が安定的に継続するよう管理会社の逐一の打診に確実な意思決定をしていく必要があります。