高市政権下のGX-ZEH新基準でどのような賃貸マンション、アパートを計画すべきか

高市政権になって今後どのようなGX-ZEH新基準マンションを計画すべきか

高市政権によるGX-ZEH新基準の修正(見直し)とハウスメーカーの対応

高市政権の具体的な政策としてのGX-ZEH新基準への修正は現段階では打ち出されていませんが、背景として高市首相が既に太陽光発電の補助金削減方針を表明していることが、市場では注目されています。これにより、将来的に補助金に依存しない賃貸マンション経営モデルへのシフトが加速する可能性が指摘されています。


🏗️ GX-ZEH新基準(2027年4月適用予定)の主な変更点

「GX ZEH」(集合住宅版は「GX ZEH-M」)は、2027年4月から適用される予定の新たなZEH基準で、従来の基準から大幅に強化されています。

項目現行ZEH(参考)2027年適用予定のGX ZEH(GX ZEH-M)
断熱性能(外皮性能)断熱等性能等級5断熱等性能等級6(UA値などが強化)
省エネ性能 (再エネ除く一次エネ削減率)20%以上削減35%以上削減
必須設備 (戸建)規定なし(推奨)HEMS(高度エネルギーマネジメントシステム)、蓄電池の導入が必須化
再エネ設置 (集合住宅)一部特例(Oriented)あり原則必須化(特例は多雪地域、6階以上の高層などに限定)※

※ 高市首相は首相就任以前からメガソーラーの規制強化及び外国製液晶太陽光パネルから国産ペロブスカイト太陽電池へのシフトを強く主張しており、ペロブスカイト太陽電池の実用化の目途とされる2030年前後に一挙に普及すると思われます。

この新基準は、2050年カーボンニュートラル実現に向けた、住宅のエネルギー自立性持続可能性の強化を目指すものです。


🏘️ ハウスメーカーが開発する賃貸マンション・アパートの方向性

強化されたGX ZEH-M基準、特に高市氏の太陽光補助金に関する発言を受けて、ハウスメーカーは主に以下の二極化した賃貸開発モデルを投資家や地主に提案しています。

1. 🚀 収益性追求型:GX ZEH+M(高パフォーマンス太陽光集中モデル)

  • 特徴: 新基準の高性能(等級6、一次エネ35%削減)をクリアした上で、高性能な太陽光発電設備を最大限に搭載し、エネルギー収支を大幅にプラス(削減率115%以上)にすることを目指します。
  • メリット:
    • 売電収入の最大化による安定したキャッシュフロー。
    • 入居者へ「光熱費ゼロ」などの訴求ができ、高めの賃料設定高い入居率を実現。
    • 補助金に依存しないため、事業スピードを優先できます。

2. 💡 コストダウン・優位性確保型:太陽光発電なし・高断熱/高省エネ特化モデル

  • 特徴: 太陽光発電は導入せず、高い断熱性能(等級6)と高効率設備に特化し、再エネを除く一次エネルギー消費量35%以上削減の要件をクリアします。
  • メリット:
    • 太陽光発電の初期費用や設置制約(日照、面積など)を気にせず、駅近や都市部の敷地でも開発が可能です。
    • 初期投資の負担を抑えつつ、新基準をクリアした高性能物件として市場での優位性を確保できます。

この市場の変化により、ハウスメーカーは高性能な建材・設備(高断熱サッシ、高性能断熱材、高効率給湯器、HEMSなど)を賃貸物件にも標準採用し、入居者の光熱費削減資産価値の向上を両立させる提案を強化しています。

🏡 ハウスメーカーの賃貸マンション・アパート開発モデル

1. 太陽光発電と蓄電池によるエネルギー自立モデル

  • 戦略: 補助金に頼らず、または補助金と併用し、物件のエネルギー収支を大幅にプラス(ZEH-M Oriented/Ready/Nearly ZEH-M/ZEH-Mのいずれか)にすることで、収益性を最大化します。
  • 特徴:
    • 大容量の太陽光発電蓄電池をセットで導入し、非常時対応(レジリエンス)も強化。
    • 賃貸オーナーは売電収入を得るか、または発電した電力を入居者に安価で一括供給する新しい電力事業モデルを構築(オーナー収益向上、入居者メリット創出)。
    • 高市氏の補助金削減の動向を懸念する投資家に対して、**「自家消費・自立型」**でリスクヘッジを提案します。

現在、多くのハウスメーカーは、土地の条件やオーナーの投資戦略に合わせて、太陽光の有無、性能レベル(ZEH水準、長期優良、GX志向型)を細かく選べる多岐にわたるZEH-M対応の商品群を提供しています。

    例えば上記の1とは逆に強化されたGX ZEH-M基準(断熱等級6、一次エネ35%削減など)を達成し、上記補助金を活用するための商品ラインナップを拡充しています。

    2. 補助金を活用した高性能モデル(高収益・高付加価値)

    • 戦略: GX志向型住宅(最大160万円/戸の補助対象)の要件をクリアすることを目指します。
    • 特徴:
      • 断熱性能の極大化: 高性能なトリプルガラスサッシや、通常よりも厚い高性能断熱材を標準採用し、等級6を達成。
      • 設備投資の最適化: 高効率エアコン、高効率給湯器(エコキュート、エネファームなど)、**HEMS(エネルギー管理システム)**を標準搭載し、省エネ性能を大幅に向上させます。
      • 入居者への訴求:光熱費の大幅削減」「補助金を活用した高性能物件」として差別化し、高い入居率と優良な入居者確保を目指します。

    🏗️ 主要ハウスメーカーのGX ZEH-M対応商品と戦略

    主要なハウスメーカーは、2027年4月からの新基準(GX ZEH-M水準)を先取りし、その高性能化と補助金活用を前提とした賃貸住宅商品を既に投入・強化しています。

    1. 大和ハウス工業

    商品名概要・戦略
    TORISIA (トリシア)標準仕様でZEH-M Orientedに対応する低層賃貸住宅の主力商品。
    GRACA (グラサ) / THE STATELY (ザ ステイトリー)都市型の3階建て以上のレジデンスでも、高断熱・高効率設備によりZEH-M水準を達成。
    GX志向型への対応標準のZEH-M Oriented仕様から、太陽光パネルの増設や蓄電池・HEMSの導入により、より高性能な「GX志向型住宅」(補助金160万円/戸対象水準)へのアップグレードを提案。
    コンセプトZEH-M化による光熱費削減を「D-ROOM(ディー・ルーム)」の入居者に訴求し、高い競争力と入居率の維持を目指す。

    2. 積水ハウス (シャーメゾン)

    商品名概要・戦略
    ZEHシャーメゾンシャーメゾン」ブランド全体でZEH-Mを推進。独自の高断熱仕様と高効率設備をパッケージ化。
    補助金戦略GX志向型住宅(160万円/戸)の要件である等級6・一次エネ35%削減をクリアする高性能グレードを積極的に展開。太陽光パネルや蓄電池の設置も必須要件として提案。
    付加価値ZEH化に加え、同社の特徴である高遮音床「シャイド55」などの快適性能と組み合わせることで、相場より高めの賃料設定を可能にし、オーナーの収益性を確保。

    3. パナソニック ホームズ

    商品名概要・戦略
    ZEH-M対応賃貸住宅高断熱・高気密の「フィカーサ」などの外壁・サッシ技術をベースに、ZEH-M対応商品を展開。
    強みHEMS(エネルギー管理システム)や蓄電池といったパナソニックグループの先進設備を標準化・最適化し、エネルギーの**「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」**をトータルで実現。
    市場対応補助金を活用しつつ、入居者メリットを強調することで、賃貸市場の脱炭素化に貢献する企業姿勢をアピール。

    地主、投資家の皆様は高市政権になって賃貸マンション、アパート投資の市場の変化にどうお考えでしょうか?どんなことでも是非メッセージをお寄せください。

    当サイトは土地活用の専門家として相続税、オーナー自らの事業計画、失敗しない土地活用をベースに、ZEHトップ建設企業と連携し収益性、快適性、環境性を最大化するZEH賃貸事業のご提案をさせていただいております。

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