失敗しない土地活用。1500万円の大規模修繕をおろそかにすると1億5000万円の収益を逃す。


東大阪市石切山荘から大阪市を望む

賃貸事業を開始すると様々な建物、設備の費用がかかってきます。維持管理費用(修繕費用)、大規模修費用、原状回復工事費用、共用部分の電気代、水道代、日常清掃費用などです。たしかに常識的に言えばこれらに対しては当然節約する姿勢が必要ですが、事業に必要な費用は惜しむと収益を悪化させます。具体例を挙げますと共用部分の電気代を節約するため廊下、エントランスの電灯数を減らしたり、貸室の水道の蛇口、ドアノブをまだ使えると新しいものに交換しないでいると入居見学者が下見に来れば、一瞬にしてここには住みたくないと判断し契約はしません。また日常清掃費用一つにしても節約すると住人のモラルが崩れ平気でゴミを落とすようになり、入居候補者から敬遠され空室は埋まらず収益は悪化します。必要な費用の節約による悪影響がこの程度で済めばまだいいほうで、維持管理費用(修繕費用)、原状回復工事費用、大規模修繕費用を長期修繕計画のスケジュールで時期ごとに計上して実行していかないと建物、設備の寿命の短命化を招き多大な収益を逃すことになります。具体的データで示します。建築費150000千円の建物で年間家賃収入15000千円(表面利回り10%)あり、大規模修繕で建物の寿命が10年延びるとすると冒頭に書きましたように大規模修繕費15000千円をおろそかにすると150000千円の家賃収入による収益を逃すことになります。これはまさに賃貸事業の失敗です。

皆様で賃貸経営を始められるにあたって最も心配されるのは失敗しないかということだと思います。賃貸経営で失敗するケースというのは事業計画段階での業者の提案を自らの検証なしに鵜呑みに受け入れた状態で賃貸経営がなされていく場合がほとんどです。この場合賃貸経営者はマーケッティング不足による不適正な活用形態、過大な建物規模設定、低下を考慮してない賃料、増加を考慮してない空室率、適切に想定してない(大規模)修繕費用等での事業計画の下、想定外の収入減少、支出増加に対応しきれず資金ショートが発生します。しかし当初から賃貸経営者自らが適正な初期設定、収支シミュレーションをもとに賃貸事業計画をたてて長期的にキャッシュフローを把握し時期ごとにやるべことを事業開始時から想定しそれを日々実行していけば、不測の事態はほぼ発生せず、今回の例のように必要な費用を惜しみ収益を悪化させるようなことは有りません。さらに別のページで詳しく説明しているのですが賃貸経営というのは賃料、費用が一定でも収益が年とともに右下がりのビジネスモデルで、事業開始の時の収益が将来まで持続しません。ですから将来、事業で資金が必ず必要になる時が来ますので事業以外のことに無駄使いせず初年度からコツコツ蓄財してください。そうすれば賃貸事業で失敗することはありません。

先日私が生まれ育った東大阪市石切に行って来ました。写真の石切山荘は小学生当時と風景は変わりませんが、友達、お知り合いの家は駐車場になったり表札は変わっていました。写真のマンションは同級生のお父さんが経営していた全国的に有名な工作メーカーの本社工場移転後に建ったようです。

石切山荘

元工場